最近、ペアでの飼育からベビちゃんを授かって育てていくお客様が増えました。
インスタなどでも時々お問い合わせを頂きます。
ベビちゃんの飼育の仕方、そして子喰いや育児放棄への心配から何をすればいいのかと…
無事に脱嚢→成長の過程を進んでいければ何も問題ありませんが、トラブルも少なからずつきものではあると思います。
人工飼育については書いたことがありますが、我が家の体験を通して子喰いについて感じたことを書こうと思います。
あえて前置きを長くしました。
表現として心苦しく感じる方もいらっしゃるかもしれません…
苦手な方はこの先はご遠慮下さいませ。
我が家は二度経験しました。
どちらのベビちゃんも救えませんでした…。
2人の子のパパママは違います。違うペアで起きた出来事でした。
一度目は様子がおかしいことに気づきケージを覗いたら脱嚢直後だったようで、執着するようにベビちゃんのオシリをえぐっているところでした。
救いあげたベビちゃんはまだ息がある状態でしたが病院に行ってもおそらく救える状態ではないだろうと思い、ただただ抱っこし続け、じきに下顎呼吸となり私の手の中で亡くなりました。
二度目はすでに息が絶えている状態でした。
一度目と同じようにオシリから傷が広がっていました。
すでに開眼しており、成長を楽しみにしている矢先でした。
どちらのケースも衝撃的でした。茫然としました。
少し前まで何も変わらない様子だったのに急にそんなことになって、目の前で起きていることが理解できない、目の前が真っ暗、そんな感じでした。
かつて育児放棄や子喰いは繰り返されることがあると聞いたことがあり、そのペアの繁殖をやめようかとも考えました。
でもどちらのペアもその後問題なくベビちゃんが脱嚢して育ってくれています。
何かきっかけになるようなことがあったのではないか、SOSのサインが何かあったのではないか、と色々考えました。
繰り返されるようなことはやはり避けたいですし、先生にも相談しました。
子供の方に問題があったりして偶発的な可能性が高いとは思うが、繰り返す子たちの場合は遺伝子レベルで問題があって次に引き継いでいってしまうかもしれないから繁殖はやめておいたほうがいいかもしれない…といったようなご意見を頂きました。
そこで改めて考えてみました。
あくまでも私と旦那の間で考えたことであり、推測の域を超えないかもしれません。
①ベビちゃんの状態としては正直病気を抱えているとかその辺のことはわかりませんが、育てられないと親が判断したのかもしれない。
②野生界であれば、親自体が飢えていて子を食べて栄養に変えるのかもしれない。
③子供の動きとかオッパイの吸い方とか何か気に入らないことがあって怒った勢いで、傷つけてしまいその延長だったのかもしれない。
④何かのきっかけでベビちゃんに傷が出来てしまって、そこを治してあげようと思っているうちにエスカレートしてしまったのかもしれない。自咬ではなく他咬みたいな。
⑤先生の仰る通り、もともと攻撃性のある一面を持ち合わせていたのかもしれない。
⑥親側になんらかのストレスが掛かったことがきっかけとなり、一時的に攻撃性が増したのかもしれない。
⑦あくまでもお世話の延長線上の話で、親達もこんなことになるとは思っていなかったのかもしれない。
ざっとこんな感じでしょうか。
どちらのケースにも共通していたのは…
ひとりっ子だったこと。
どちらも初産ではなかったこと。
オシリから傷ついていたこと。
内臓はたしかに飛び出てしまっていましたが、食べているといった印象ではなかったこと。
そして次のぽっこりさんの時には同じようなことにはならなかったので、どちらも偶発的だったということ。
ベビちゃんなので傷つけられてからはあっという間だったということ。
ベビちゃんが亡くなった後も親達はしばらくソワソワしていたこと。
とても悲しい出来事…
でもきっと親も悪くないし子供も悪くない。
人間の目線で見るととても残酷で、子喰いというから印象が良くないけれど、彼ら一人一人は生きることに必死なのでそういう感覚ではないのかもしれない。
これらのことを踏まえると、一生懸命お世話していたその延長での出来事だったのかな⁇と考えるに至りました。
(我が家のケースではあるので、全てに当てはまるかどうかは分かりません。)
初産だから・初産ではないから、とかではなく、同じ確率で毎回可能性としてはあるのだと思います。
一度この経験をしたら、毎回正直怖さはあります…
何事もなく無事に育って欲しいといつも願っています。
でもパパもママも一生懸命我が子をお世話して育ててくれることがほとんどなのです。
それならばやはりこの子達を信じてサポートに徹しようと思いました。
もし何か力を貸さなければいけないとしたら、その時に初めてお手伝いしてあげればいいですしね。
相手が生き物である以上避けられない不幸もあると思います。
もちろん人の飼育下で育てているので、できることはやらなくてはいけないと思います。
おうちの子達を繁殖するにあたり不安も尽きないとは思いますが、子喰いしたらどうしよう・育児放棄したらどうしよう、と過剰に心配するよりも、出来るだけ刺激を与えずにそっと見守ること、そして栄養面でのサポートをしていくこと、無事に子育てしてくれるように祈ること、そして不測の事態に備えておくこと、が私達人間のできることなのかもしれません。
どんなに出産を経験していても、パパやママに掛かる負担は毎回違うのだと思います。
月齢や年齢も変わっていきますし、その時その時のコンディションも違うと思います。
普段から体調管理として食事や観察に気を配って頂き、皆様が出来るだけ不幸な場面に出会わなくて済むようにと願ってやみません。